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PJ: 葦乃原 光晴

「若さの秘訣は菊作り」=江東区の菊名人に聞く
2009年10月28日 08:31 JST


東京都江東区の亀戸天神社で開催されている菊祭りに、一年がかりで育てた菊を出展している松坂雅生さん。写真の黄色い菊は松坂さんが育てた菊で、「国華吉兆」と、「精興右近」という名前だそうだ。(撮影:葦乃原光晴、10月25日) 

【PJニュース 2009年10月28日】10月25日(日)から東京都江東区の亀戸天神社で菊祭りが開かれているが、丹精込めて育てた菊を出展している松坂雅生(まつざかまさお)さんが、26日(月)、菊祭りの会場で菊への思いを話してくれた。

松坂さんが菊と出会ったのは約50年前だ。知人に、戸越の菊名人と懇意にしている人がいて、「苗をもらいに行こう」と誘われた。

「戸越の名人は雑貨屋のおじいさんでした。もらった苗で作ってみたら、ちょっと見栄えのいい花ができて近所の人にも好評でしだ。その苗で2-3年育てました。菊に興味を持って、日比谷公園の菊花展も見に行きましたよ」

しかし、それから長いブランクがあった。松坂さんはその頃大森に住んでいたが、江東区に引っ越すことになった。新たな住まいには菊を育てる場所がなく、やめてしまったのだ。

だが、菊作りに対する思いが消えることはなく、自宅を建て直すときに3階建てにして、屋上で菊を作れるスペースを確保した。そして、亀戸天神社の菊祭りを奥さんと一緒に見に行ったとき、やはり、もう一度「やりたい」と感じた。

「いいな」と、松坂さんが言うと、「好きならやりなさいよ」と、奥さんが松坂さんの背中を押してくれた。それで、菊を展示していた「江東菊花会」に入会した。10年ほど前のことだ。「江東菊花会」は、現在40人-50人程度の会員数で、50年余りの歴史がある。

菊作りは自己流で続けていても上達しないという。生育が天候に左右される。肥料や水のやり方が難しい。病害虫対策もある。さらに競技用の菊は、花の形、大きさ、位置、背の高さ、幹の太さや葉の状態などなど、審査の基準が細かくて厳しい。

松坂さんは「江東菊花会」に入会してから幾つもの賞を受けている。亀戸天神社の菊祭りで農林水産大臣賞を平成14年と17年の2回、こうとう文化芸術祭菊花展で平成16年に五十周年記念大賞を、平成18年と19年に江東区長賞を受けた。

「昔は60鉢作りました。60鉢で出発して花芽が出るころに40鉢に減らします。その中で出展するのは10鉢です。しかし近年は、最初が30鉢になっています」

今年の菊花展が終わったら、「じゃあ、来年はどうしようか」と、1年中菊のことを考えているそうだが、年をとると菊作りが大変になってくるらしい。先日、取材の申込みでご自宅を訪問したときは、「(菊作りは)今年が最後になるかもしれない」と、おっしゃったので気になった。

失礼ながら年齢をお尋ねすると、83歳だと聞かされて驚いた。70歳くらいにしか見えなかったので、「若いですね」と言うと、「菊を作っている人は、みんな若いよ。気が若いんだ」と、目を細められた。

この日、会場で話を伺って、最後に「来年も続けますか?」と尋ねると、「たぶん、やめられないだろう」と、答えてくれた。

松坂さんは現在、「江東菊花会」で会計を担当している。ある会員の方は、松坂さんは名人だと話してくれた。松坂さんは50年前、戸越の菊名人に苗をもらって菊の世界に足を踏み入れたが、今は自身が名人と呼ばれるようになっている。【了】

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菊のスカイツリー、亀戸に出現。=東京・江東区
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