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PJ: 葦乃原 光晴

新仏の霊を精霊舟で送り出す=和歌山・田辺市
2009年08月18日 08:18 JST


8月15日(土)の夜、和歌山県の田辺市芳養松原にある船着場では、全長6mほどもある大きな精霊舟で新仏の霊を送った。精霊舟は、お経を上げてから海面に降ろされ、漁船で湾内を曳航してから引き上げ、地区の人々が見守る中、空き地で燃やされた。(撮影:葦乃原 光晴、8月15日) 

【PJニュース 2009年8月18日】8月15日(土)の夜、和歌山県田辺市の海岸沿いの地区では、初盆供養で新仏の霊を精霊舟に乗せて夜の海から極楽浄土に送り出す。

全長2-3メートルの精霊舟は提灯(ちょうちん)や帆などで飾られ、船着場から漁船に乗せて沖まで運び、沖で海面に降ろして流す。そのとき、亡くなった方を思いながら海岸と漁船の両方で花火を上げてお別れする。悲しさやせつなさを胸に抱きながらも、お別れの瞬間は賑やかに花火を上げて送り出すのだ。

しかし、この美しい風習が時代の流れとともに変化してきている。海に流した精霊舟の漂着先は予測がつくので翌日回収に行くが、一部が壊れてゴミになったり、どこか別の場所に流れ着いたりする場合もあるのだ。

また、精霊舟を作って流すには費用がかかる。環境とお金の両方の問題で精霊舟を作らない新仏の家が増えてきた。

記者は8月15日に、田辺市の江川と芳養(はや)の2箇所の地区を取材した。江川では今まで通り精霊舟を作って海に流す家が多く見られたが、作らない家も見られた。芳養は今年から精霊舟を個々に作ることを止めて、共同で全長6mほどもある大きな精霊舟を作ることになった。

午後8時。芳養の船着場には特設会場が設けられ、新仏の家族が列席し、2艘の大型の精霊舟を前に僧侶がお経を上げていた。その後、クレーンで精霊舟が海面に降ろされ、漁船で湾内を曳航してから引き上げ、近くの空き地で燃やされた。

芳養では個々に精霊舟を海に流す風習は消えたが、新たな風習が生まれた。地区の人々が集まりみんなで花火を上げて精霊舟を見送った。また、引き上げた精霊舟は、鉦をたたきながら念仏を上げる女性や、手を合わせて祈る地区の人達に見守られながら、大きな炎を上げて燃えていった。新仏の霊を送り出す形式は変わったけれど、人々の思いは少しも変わっていなかった。【了】

■関連情報:
変わりゆくお盆の風習=和歌山県田辺市
昨年の精霊舟送りの動画
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PJ 記者