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PJ: 今藤 泰資

「韓流ブーム」から「韓方ブーム」?2010国際韓方バイオエキスポの主催者、忠清北道・堤川市の市長に単独インタビュー(下)
2009年12月06日 13:05 JST


堤川は内陸の海・清風湖と月岳山公園など自然に恵まれた風光明媚な地域である。写真は市内中心部に近い「義林池(イリンジ)」の水墨画のような光景。紀元前3世紀ごろの三韓時代に構築されたという韓国最古の貯水池。早朝、健康志向の市民がそちこちに姿を見せていた。(11月27日午前8時撮影:今藤泰資) 

【PJニュース 2009年12月6日】(中)からのつづき。韓方エキスポの会期はこうして、2010年9月16日から、10月16日までの31日間の延長となった。市長の背後にある巨大なイラストにも、受け取った資料にも会期は20日間と明記されている。雑なのか大らかなのかは分からないが、期間の延長は当然に思えた。会場は堤川市旺岩洞(ワンアムドン)にあるチェチョン・バイオバレーの一帯53万2000平方キロメートル。2005年に薬草健康特区に指定された堤川は、WHO(世界保健機構)が認定する国際健康都市の仲間入りを目指しているとオム市長は誇らしげに語る。

韓国には「身土不二」(身体と環境(土)は不可分)という言葉がある。会員農協数1377ヶ所、事業所は4000ヶ所、500万人の農業者を擁する韓国農協中央会のスローガンでもあるほどに、市井に膾炙(かいしゃ)した表現。地産地消、薬食同源と読み替えれば、このエキスポ開催が理解しやすくなるだろう。会場内には、韓方の未来を語る「未来韓方舘」、薬草の起源や効用を学ぶ「薬草探究舘」、韓医学の神秘に浸る「伝統韓医学舘」、さらに科学化・産業化された韓方の姿を発見する「世界の伝統医学舘」や「韓方特区舘」、「名門韓方病院舘」などを配置するという。

さらに市長は「韓国には韓方による健康都市を目指す地域が少なくない。例えば朝鮮ニンジンの産地である忠清南道の錦山(クムサン)、韓方薬草祭りでまちお越しを計る慶尚南道(キョムサンナンド)の山清(サンチョン)、山菜野菜の産地である京畿道(キョンギド)の漣川(ヨンチョン)などがある」とし、それらはいずれもソウルからの距離が当市の2倍以上も遠いと指摘。アジア最大の国際音楽映画祭の開催や、自慢の月岳山国立公園などの存在をアピールし、エキスポ開催の意義を強調した。

とはいえ、地方自治体が主催する国際博の最大の課題は資金調達のはず。多少意地悪な質問にもオム市長はなめらかに、「中央政府が50億、忠清北道が80億、堤川市が70億」とすらすら答え、続けて「一番大切なことは跡地の利用だ」とし、「国内外のバイオ関連企業を誘致し、エコセラピー企業団地を構築したい」と結んだ。やはりこの市長あってこそのエキスポ開催なのだろう。この国では首長と中央の政治家の間に格差はなく、時に応じて地位を移すことが多い。「厳泰永」という名を、わが国メディアが報じる日があるかもしれない。

予定された時間はとうに過ぎた。多忙な市長と聞いていたので、辞去する私たちをオム市長は自ら市長室に案内し、同行のPJニュースおなじみの南明玄(ナム・ミョンヒョン・31)君ともども記念写真の場を設けてくださった。最後に市長は「堤川市は世界の20都市と姉妹関係にある。だが残念なことに日本のどの都市とも関係を結んでいない。これを機会にぜひ日本の都市との関係を深めたい」と熱く語った。市役所には日帝時代の賠償金支払い窓口が現存する。義林池にはエキスポ会期中、独島(竹島)のミニチュアを浮かべる計画もあると聞いた。近い隣国はやはり異国なのである。

その一方、中央市場のハルモニ(おばあさん)は、私が日本から来たと知って雲仙旅行の写真を笑顔で見せたし、バスターミナル前のコーヒーショップの若い女性は堪能な日本語で「回転すしまたが食べたい」と話しかけてきた。市長も市の職員も市民たちも、みな素朴で暖かかった。わずか半日少々の堤川市の滞在でさえ、私はこの国とこの国の人々から多くを学ぶことができた。この日の夕方、ソウルへ戻る高速バスは大渋滞の中をのろのろ走った。それでも私はこの日の出会いに充分満足をし、またこの地を踏む日を考えていた。【了】

■関連情報【2010年チェチョン・バイオエキスポの概略】http://www.hanbang-expo.org/Japanese

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