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PJ: 今藤 泰資

日本共産党という存在(上)
2009年09月04日 12:50 JST


日本共産党志位和夫委員長は、笑顔を絶やさぬ好人物に見える。メディアを利用しての戦いでは、悪人顔の麻生太郎首相との争いに負けているように思えた。(撮影:今藤泰資) 

【PJニュース 2009年9月4日】昭和32年5月1日。大学生になりたてのわたしは、ピカピカの角帽をかぶりながら、神宮外苑に集まった。知り合いがいたわけではなく、学内に張り出された掲示板に関心を持ったからだけだ。メーデーは労働者の祭典とされていたが、この年も先鋭化した指導者らによって、神宮から新宿まで警備の警察官の手を振り切るようなジグザグ行進を続けた。

新宿西口で流れ解散になった集会の最後は、十二社(じゅうにそう)の蕎麦(そば)屋。狭い2階の一室に私たちの大学からの参加者20数名が集められた。床の間を背にしたやせぎすの男がすっくっと立ち上がり、腰に両手をあてながら「オレは本学の共産党細胞の〇〇である!」と怒鳴った。明治の壮士風の男の話も、私自身のリアクションも記憶にはない。私同様、初参加の女子学生が恐怖におびえながら抱き合っていたのが印象的だった。

この日以来、「日共」と呼ばれていた日本共産党には縁もゆかりもない。「怖い政治団体」という印象しか持ち合わせることはなかったのは、その数年前、兵庫県鳴尾高校の図書室にあった小林多喜二の「蟹工船」の文墨塗りの多い文章と重なって記憶に残った。当時もその後も、友人らと政治論議に花が咲いても「アカは怖いわ、アカはあかんな」で話は途切れた。

昭和35年6月15日、岸内閣による日米安保条約締結に反対する学生たち国会議事堂を中心に集まり抗議デモを行った。いわゆる「60安保」には、ノンポリ学生の一人として物見遊山の気分で出掛けた。警視庁前には旧日本陸軍が使用していた鉄兜(てつかぶと)をかぶった機動隊が出動、物々しい雰囲気であった。この夜、東大の樺美知子さんが亡くなった。圧死であったという。ノンポリとは「nonpolitical」の略。『学生運動に参加しなかった学生を指す用語で、政治問題に関心はあるものの次第にセクト化・過激化していった学生運動を嫌い特定の党派に属することを拒否した人々なども含まれていた』(wikipedia)で、異様までに先鋭化する左翼運動に反対の立場での参加であった。

あれから半世紀…。民主党の圧勝で終わった2009年度の衆院選は、国民の望む政権移行が果たされることとなった。最大の要因はメディアや識者から、与野党幹部に至るまで指摘するとおり「自民党のオウンゴール」であることには論を分かたない。政党政治家である以前に、一個人としての失態や無責任さをこれでもかと国民に見せつけたからだ。国際会議に出席した大臣が、「泥酔状態」で記者会見する。

自死した主要ポストの後任に指名された大臣が、けがした子どものような顔面絆創膏(ばんそうこう)姿で閣議に臨み、内外の失笑をかった。その任命者・安倍晋三氏は唐突に首相職を投げ出し、後任の福田康氏も同じ道をたどった。まだある。さらにその後任の麻生太郎首相は、相次ぐ失言に始まり、漢字の読めない国政のトップ、判断のつかない指導者という汚名を確定させていった。

茨城1区に住む私は、この選挙で田谷武夫と言う共産党候補者に投票した。今回の選挙では「ばんそうこう大臣」こと赤城徳候補と民主党の新人福島伸亨候補との事実上の一騎打ちの様相を呈していたが、人物識見もあり尊敬されてきた祖父・赤城宗徳氏から受け継いだ地盤を大差で失った。長年、赤城一家を支え続けた地元の市会議員N氏でさえ、「徳彦はバカだ、とうに自民党員は辞めた」まで言わしめたのも、全国各地で見られた09年衆院選の典型事例の一つに過ぎないだろう。

地元企業で半生を過ごしてきた私も同様の理由で、赤城氏にも自民党にも投票するのをやめた。といって福島候補に投票するには違和感を持った。水戸駅前で朝立ちする姿には迫力がなかったし、赤城氏同様、東大出身の官僚という出自には反感があったからだ。民主党本来の姿は自民党と「双子の兄弟」であり、多少異なる面は旧社会党左派から、自民党右派まで幅広い「アンチ自民勢力を、豪腕小沢一郎」が結集した集団にしか見えないからである。【つづく】

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PJ 記者