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PJ: 今藤 泰資

「カオスとコスモスの国・中国」余話
2009年07月09日 10:21 JST


大連駅前の「避難民」とも見える中国の農民旅行者。(2008年10月撮影:今藤泰資) 

【PJニュース 2009年7月9日】過日わたしは、上海・蘇州訪問の記事を3回にわたって伝えた。帰国後の8日、開催中の主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)から「新疆ウイグル自治区の暴動に対処するため」胡錦濤国家主席は急きょ帰国し、少数民族の暴動に対する中国政府の不安が明らかになった。同じ日のサンケイ紙の朝刊は「家族を食べさせるため、人身売買をする中国人」を伝えた。一方、ネットで配信される「蘇州情報」は、20年から30年前の蘇州の運河では「水浴できるほど水は澄んでいた」という。急速なインフラ整備と経済成長のかたわら、比例して環境悪化が進んだのだ。

昨年10月、早朝の大連駅では「難民」と呼べるほど貧しい身なりの旅行者が、大荷物を抱え込んで列車に乗り込もうとしていた。その光景は、敗戦直後の神戸駅頭で見たのと似ていた。同じころ、大連国際空港内の売店で買い物をしたわたしは、別の店で受け取った50元札を何度となくチェックされた。それは同じ空港内の売店でのおつりであった。わたしの顔と札とを交互に観察する若い女性店員は実に不愉快であった。そのとき初めて「中国にはニセ札が横行している。汚いお札は受け取らないように」と案内した観光ガイドの言葉を思い出した。

これらのいずれも現代中国の実態なのだろう。が、わたしはやはり釈然としないものを感じる。大連駅の貧しい人々が中国の裏の顔なら、上海の中心地にそびえる高さ468メートルの「東方明珠電視塔」。高さ492メートル、森ビルの手になる「上海環球金融中心」などの摩天楼はいわば中国の表の顔。光り輝く一面である。

現代においてもなおこの国は「開発途上国」なのか。忘れやすい日本人でも記憶にあたらしい「農薬入りギョウザ事件」はいまだに未解決だ。食の安心安全と、食料自給率を日本人に教えてくれた中華人民共和国に、われわれに本人は感謝するべきなのか。混沌(こんとん)と秩序の国・中国がまた気になったので記事にした。【了】

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PJ 記者