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PJ: 今藤 泰資

さてもわが国政界は、道化師、「フリー」にさも似たり
2009年05月17日 08:15 JST


酔いの回った目の前に壁面に、バルーンで遊ぶ道化師人形があった。だれかの指示で動く政治家によく似てる(撮影:今藤泰資) 

週末の午前、気晴らしに表に出掛けた。農村部のこのあたり、一面黄色に染まっている。麦秋だ。デジカメを持ち出したが、思ったとおりの写真が撮れない。気を取り直してHという雑貨の安売り店に向かう。麦で思い出したわけではないが、ただ今評判だというキリンの(ノンアルコールビール)「フリー」を求める。家人は留守。好物の「シャケの骨」を持ち出してテレビを開く。正確にはビール風味の清涼飲料ということだろうが、めっぽう旨(うま)い。キリリと喉(のど)を潤し、瞬間気分は爽快(そうかい)だ。

 この日の大相撲は全員元気、連勝を27に伸ばした白鵬。日馬富士、朝青龍と場所前の「モンゴルゴルフ」問題をはね返す勢い。魁皇に稀勢の里、高見盛が1敗で追いかけ、カド番の千代大海と魁皇も大奮闘。先ほど見た民主党の代表選挙とは大違いだ。ドタバタと大騒ぎし、結局、老獪(ろうかい)小沢サンの仕掛けたとおりの出来レース。早速「民主党も世間の反応をもう少し見定めるべき」「小沢の色が前面に出る限りは次の選挙で民主が勝てるはずもない」 などとメディアは伝える。当然だ。おまけに鳩山さん、宗教家ではあるまいに「友愛の精神」って政治ビジョンなんですかね。選挙のカタチは違うが、コチラもお坊ちゃま。あの脆弱(ぜいじゃく)安倍晋三前首相の二の舞になることは自明の理。悲しい現実が腹立たしい。

 当方熱心な自民党シンパ。だがね、熱海に女性連れで行くのに議員パスだと? せこい鴻池元官房副長官の体たらくは許容範囲をとうに超えた。嬉々(きき)として新型ウイルス報道にはしゃぐ舛添要一厚労相の姿は、同省内部の諸問題から目をそらす作戦にしか見えない。国連合同エイズ計画(UNAIDS)によれば、2007年末に世界のHIV感染者数は3300万人(成人感染率0.8%)、2007年中の新たな感染数は270万人、同年のエイズ死亡者数は200万人とされている。「新型ウイルス」で騒ぐ前に「旧型ウイルス」の措置はどうなった?大麻汚染はどうする?医師不足はどうする?やるべきことは他にも一杯あるではないか。

 ついでに言えば、中央官僚はヤリタイ放題。失言続きの麻生首相も落ち着いてはきたが、所詮(しょせん)わが日本国の指導者としては軽すぎて失格だ。だからこそ、一度は民主党政権に付託したいと思ったのに、金権政治の影引き内閣なんかもう結構。ノンアルコールビールの最初の一口は旨(うま)かったが、350ミリリットル缶を何本も飲む代物ではない。初めだけ「口当たりのいい」首相は安倍さんだけで充分。そう思ったから、ニッカのシングルモルトの「余市」に切り替えた。「蟹工船」で取った赤いカニ缶でも開けたい気持ちを、抑えるのがたいへんだ。

 酔いの回った目の前に壁面に、バルーンで遊ぶ道化師人形があった。だれかの指示まちで動く政治家によく似てる。見かけはビール、ホップは利いていても、そこはやはり清涼飲料水の指導者たち。アメリカの後追いをしている内に、六カ国協議は空中分裂し、最新鋭戦闘機の発注は断られ、ますます国際社会のなかで孤立する日本国。ハラが立って仕方がなかったから、寝たらまたすぐ目が覚めた。長いのは秋の夜ばかりではなさそうだ。

 ♪さて、さては南京玉すだれ。さてもわが国政界は、道化師、フリーにさも似たり。【了】

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