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PJ: 今藤 泰資

北信花紀行(1) 沼の原湿原に咲くミズバショウとリュウキンカ
2009年05月08日 07:18 JST


湿原には雪解けと共にミズバショウとリュウキンカが大群落を形成。5月〜6月にかけて素晴らしい景観を見せるとあるが、ここでも温暖化の影響か、今を盛りと咲き誇り実に見事だ(5月4日撮影:今藤泰資) 

また、長野県の北信へ行った。といって「花紀行」が主題の旅ではない。5月5日夜、小布施で開かれる月例のオブセッション(Obusession:小布施ッション)に出席するためである。混雑は避けたかったが、それ以上にETC1000円走り放題は魅力的だ。ならばとばかり、前泊すべくネットで選んだ先が、「標高三千尺の露天風呂が自慢」という斑尾高原のホテル。「善光寺御開帳や飯山菜の花祭りにもお薦めです」も泣かせる文言、2食付8500円も気に入った。偶然にも花紀行になったのは、行く先々で異なった花々が出迎えてくれたからだ。
 
 自宅のある茨城県西部の街を4日の午前5時半に出発。伊勢崎から北関東高速道、関越道、上信越道と走り、途上、戸倉観世温泉で朝食休憩することにした。早朝5時開業のこの浴場、完璧(かんぺき)なかけ流し温泉でありながら、入浴料金わずか300円。やや古ぼけた建屋のメンテナンスも良好で気分がいい。2時間ほどの小休止の後、直ちに斑尾へ向かう。信州中野ICを過ぎるあたりから、やはり混雑が始まったが、豊田飯山ICで高速道を降りる。くねくねと山道を走ること30分、もう斑尾のホテル、ペンション街に到着。ちょうど昼食どき、こぎれいな喫茶店でパスタをいただく。

 ホテルに入るのは時間がありすぎる。同行の友人が、「ミズバショウ→」と書かれた小さな看板を目ざとく見つけた。早速またクルマを走らせる。驚いたことに、2kmほどの距離に沼ノ原湿原・原生花園があった。案内板には広さ約19万?とあり、線路の枕木を転用した遊歩道が整備されている。標高1000mに位置するこの周辺は、斑尾山一帯に降った雨や雪を地下に溜(た)め込み、保水力が強く、多くの涌(わ)き水も豊富で、森や湿原に潤いを与え続けているからだという。斑尾山(標高1382m)は、「北信五岳」の一つ。長野県飯山市と信濃町の境にある火山である。湿原には雪解けと共にミズバショウとリュウキンカが大群落を形成。5月〜6月にかけて素晴らしい景観を見せるとあるが、ここでも温暖化の影響か、今を盛りと咲き誇り実に見事だ。
 
 そればかりではない。湿原にも、周囲の山々にも、ダケカンバやネコヤナギが新芽を吹き、モクレンとウワズミザクラの白い花が、そこここに小さな自己主張を繰り返す。この先の季節には、シモツケソウやトキソウ、カキツバタ、ミツバガシワ、ニッコウキスゲが咲き揃(そろ)うというから、まさに絢爛豪華(けんらんごうか)なことだろう。「標高三千尺の露天風呂」は温泉ではなく、露天でもなかったが、夕食のビールはグイグイのどを潤した。湿原の鮮烈な水流が、前頭葉に残っていたせいだったのかも知れない。明日は飯山の「菜の花祭り」に立ち寄ることにした。昨年、由紀さおり姉妹の「いい旅夢気分」のロケに出くわした場所だ。狭い区域で、たくさんの花を見る。百花繚乱(りょうらん)とはこのことか。【つづく】

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