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PJ: 今藤 泰資

レトロの喫茶店?画廊?新業態の金融機関?!
2009年02月19日 09:44 JST


え、これが金融機関の店内ですか?!茨城県信用組合県庁前支店の佐藤支店長(左)と成瀬副支店長(撮影:今藤泰資) 

所用があって水戸市内のある金融機関に立ち寄った。県庁前にある3階建ての茨城県信用組合は、「けんしん」とも呼ばれ、信用組合として唯一、預金量1兆円を突破している日本最大の信用組合だ。現理事長の幡谷祐一氏は、茨城トヨペットの会長などを務める県内きっての実業家。その程度の知識はあったが、この朝、ひと気のない店内に入って驚いた。

 古風の建物で、女子職員の姿はキモノ姿にたすきがけ。あいさつに出て来られた支店長の佐藤誠さん(51)は明治の警察官風なのだ。それがまた、皆よく似合う。目的の用件はそっちのけで、早速取材を申し入れた。成瀬隆司副支店長(52)ともども、懇切丁寧な応対には二度びっくり。さらに何やら、いい香りが店内に漂うのも無理からぬこと。なんとカウンターの隅を喫茶店風にしつらえてあり、「はいからさんが通る」の主人公・紅緒(べにお)のような女性が恭しくカタカタとコーヒーを運んでくださった。

 「いや一体これはどうしたことで?」という記者の問いに佐藤支店長いわく。「当県庁前支店の新築開店は2005年11月。温故知新の精神を大切にという幡谷理事長の思いから、後世に残る建物を建築し、時代の先端を走る金融機関として恒久的に永続するという願いが込めました。店舗内の職員は服装を建物の雰囲気に合わせて、こちらも明治時代風の制服を着用して接客しております」。05年にリニューアルした県庁前支店は、創立55周年・預金量1兆円達成という節目の年であったので記念構造物でもあります」と、やはり明治の官員風にキッパリ。

 2階部分は立派な大講堂で、「展覧会やコンサート、その他諸会合に利用しています」と支店長。3階は画廊だ。シャガールの版画や上村松園の日本画、歌川広重の「東海道五拾三次」などが多数展示されている。美術品の価値にはうとい記者だが盗難も心配。だがご安心ください。同支店は、東日本の金融機関としては初の「防犯カメラの映像をリアルタイムで茨城県警に送信できるシステム」が完備されている。古きをたずね、新しきを知る精神がここにもあったということだ。

 とかく、金融機関の不始末や運営の可否が問われる昨今、ゆとりの持てるこんな店舗と窓口がもっと増えてよさそうだ。【了】

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