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PJ: 今藤 泰資

男が「70」を迎えた日
2009年02月02日 09:30 JST


キャンドルの数は7本。「遥けくも来つるかな」という感慨以上に、娘一家の愛情がうれしかった。(撮影:今藤泰資) 

運転免許証の書き換えに警察署へ行った。必要な講習は事前に済んでいたから、短時間で用件は終わった。手渡された免許証には異様な風体の老人が自分を凝視していた。もちろん先刻撮った自分の顔写真、あらためて年齢を感じさせられた。あと数日で満70歳、当然であるとはいえ、古来稀(まれ)な年齢にまで生きるとは望外のこととせねばなるまい。

 高齢者免許の更新期間は3年である。昨今の交通事情からか、更新手続きはなかなか複雑だ。動体視力検査から、シミュレーションによる運転適性検査、さらに自動車学校教員同乗の実地検査まである。20数名の男女の「老人たち」の中には、「それでは更新できませんよ」と注意を受けるご仁もいるから皆真剣だ。

 幸いなことに、わたしの身体は今もって頑健である。いや、40年勤めた会社を辞職して以来、健康を取り戻したというほうが正確だ。還暦を過ぎたこのこのころから、驚いたことにすべての数値が健康そのものを意味するように変化した。諸悪の根源は、意にそぐわない人間関係と、わがまま極(きわ)まる個人経営者の下で働いたことにあったのだ。

 「60過ぎても雇用してやるぞ」というトップとの決別はたいへんに痛快。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」という選択をできなかった多くの同輩たちは、不幸そのもの人生を歩み続けているようだ。【了】

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