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PJ: 今藤 泰資

事件から半年、落ち着きを取り戻した千波湖=茨城県水戸市
2008年10月23日 06:32 JST


「人と生き物の共生」とは、無理強いされるものではない。当たり前に空間を共有するだけなのだ。(撮影:今藤泰資) 

茨城県水戸市のJR水戸駅の南に広がる千波湖(せんばこ)。周囲が3.1キロのこの淡水湖は、金沢の兼六園、岡山の後楽園とならぶ、日本三名園の一つ水戸偕楽園の借景となっている自然豊かな空間だ。朝、昼を問わず、ジョギングやウオーキングを楽しむ人を多く見かけ、夏の夜には恋人たちが集う。水のみやこ、水戸の名に相応しい湖といえるだろう。

 この湖で今年4月28日早朝、合計8羽のハクチョウやコクチョウが撲殺されているのがジョギングに来た人によって発見された。陰惨な事件の犯人は、市内に住む中学3年生の少年(15歳)と中学2年生の少年(13歳)。茨城県警水戸署は、少年らを鳥獣保護法違反容疑で書類送検したが、2人は同じ中学校で「羽を広げて抵抗する鳥を殺すのが楽しかった」と話したという。

 家庭や学校での教育指導のありかた。生き物を大切にする心。美的空間を楽しむゆとり…さまざまに話題を呼んだ事件から約半年が過ぎた10月22日、少年らが事件を起こした湖岸北に立ち止まって周辺を眺めてみた。

 週に数度の仕事先は千波湖近くにあり、朝晩のマイカー通勤は湖岸を走るが、落ち着いて眺めて見れば、ここは静かでたおやかな空間であった。ハクチョウやコクチョウ以外にも、カモの仲間たちがにぎやかに鳴き叫び、ミヤコドリやカワウ、アオサギなど多数の鳥たちが、湖を埋め尽くしていた。

 幸いなことに、鳥たちはジョギングの靴音に驚かず、散歩する人たちも鳥に気遣いさせないように思えた。よかった、本当によかった。秋が深まれば、ハクチョウたちの数も増えることだろう。そう思った早朝の千波湖。【了】

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PJ 記者