PJ: 今藤 泰資
プロにも読ませたい「上手なガソリンスタンドの利用方法」(下)
2008年09月21日 07:59 JST

職場としてのGSは、夏暑く冬寒い場所、3K事業所と言い換えてもいいほどだ。元気で働く若者に設備には設備に不備があっても、価格が不安定であっても彼らを非難しないで頂きたい。(16日撮影:今藤泰資) 
(上)からのつづき。給油するばかりが、ガソリンスタンドではない。週に何度も通い続けるGSの変化に、お気づきだろうか。タイヤやバッテリー、オイルや添加剤から洗車ブラシに至るまで品揃いし、「押し売り販売」で評判を落としたのは昔の話。業界内ではバランス販売と称してこれら商品の拡販に努めてきたが、今では給油と洗車をする場所と変化してきた。洗車機の普及と性能の向上をわが国GS業界の歴史から欠くことは許されない。
洗車機業界の草分けは、竹内鉄工所という会社だ。1963(昭和38)年、日本で初めて自動洗車機を開発。「カービュウティシャン」のブランドで販売を開始。直後に販売部門を独立、ビュウティ販売という化粧品会社風の社名に変更、現在に至っている。時代とともに洗車機業界も進化したが、マイカーを護(まも)るにはやはり手洗いが原則。わたし自身、ドイツ車を所有していたころには手洗い洗車を実行していたが、このところもっぱらGSの洗車機を利用している。
ただ、注意せねばならない点がある。「ソフト洗車」と名うった機械でさえも、長期間の洗車が愛車のボディに与える影響は少なくない。省資源、省エネルギーの時代に入ってから、クルマの買い替え期間が延長している。使い捨て経済から離脱するには、毎度毎度マイカーを洗車機でこするべからずだ。要注意洗車機は、旧型でブラシの交換を怠っている機種。粉塵や細かい砂がブラシに付着していると心配すべきだ。
といって、新型機種だと安心してもいられない。「洗車券50%引き」に喜んで度重なる洗車はマイカーに負担がかかる上、普及型機種の多くが硬質ゴムをブラシに応用しているから、ややもすればキズがつきやすいのだ。自宅での手洗い洗車と、雨天ドロ道を走ったあとなどに洗車機を利用すればどうだろう。洗車中のバタバタという騒音はクルマの悲鳴と聞いて間違いはない。
GS備え付けの器具類の中で、比較的安心できるのがマット洗い機だ。大方のGSではフシギにも使用無料だが、たまには100円取るところもある。そんなドけちGSは避けたほうがよさそうだ。最も注意したいのが、バキューム掃除機による車内清掃だ。この機械、調整を怠っているGSが多いから、フィルターの目詰まりなど当たり前。先日たまたま使ったノズルの先から、ヘヤーピンが多数飛散して往生した。多少の心あたりならあるが、多数噴出するワケがない。吸引と吹き出しが逆になっていたらしい。この日以来バキューム掃除機の利用はあきらめた。業界ではGSをSS(サービス・ステーション)と誇らしげに呼ぶが、「ヘヤピン・サービス」までの必要はない。
悪いことばかりのGSではない。新設GSではバリアーフリーは当然のこと、トイレの内部はかなり高級感があり、清潔この上もない。減ったとはいえ、ロードサイドに位置する4万5千以上のGSは学童の避難場所とされている。世界一とされる耐火構造は、阪神淡路大地震で立証済み。ただの1ヵ所も火元にならなかったばかりか、神戸長田町界隈では、激しい火流をせき止めてさえいる。セルフのGSが普遍化した現在、給油ノズルも軽量化し、ずいぶん使い勝手がよくなった。「混油事故が急増」などとするインチキメディアの報道を信じてはならない。利用者なら理解しているが、混油防止装置が常識。火気厳禁にだけ気をはらえば充分だ。
職場としてのGSは、夏暑く冬寒い場所、3K事業所と言い換えてもいいほどだ。そこでは元気で働く若者が多い。設備に不備があっても、価格が不安定であっても、どうか彼らを非難しないで頂きたい。40数年前、石油販売業がマイナーな業種であったころ。GS勤務の若いわたしは、幾度となく理不尽なお客から痛めつけられた。ヤクザや右翼も多かった。だが時には、福島県から、群馬、長野に向かうダンプ満載のサンマを数匹もらって、石油ストーブで焼いてたべたこともあった。保冷車こそなかったが、人情ドライバーが多かったのだ。GSで働く現代の若者にも、夢と希望を持たせてやりたいと思い続けている。
さて使い方さまざまなガソリンスタンド。短期間の値下げがあるにせよ、万札がスットなくなる高価なガソリンになった。交通機関の発達する大都会はいざ知らず、地方の足はやはりクルマだ。生活防衛のためにも、最適GSの選別は必至だ。自宅付近のGSを、こうした視点で眺めるのも悪くはなかろう。【了】
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