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PJ: 今藤 泰資

プロにも読ませたい「上手なガソリンスタンドの利用方法」(上)
2008年09月20日 06:35 JST


値上げと思えばまた値下げ。変幻自在なガソリン価格、振り回されるのは消費者ばかりではない。「(16日、中軽井沢にて撮影:今藤泰資) 

値上げと思えばまた値下げ。変幻自在なガソリン価格、振り回されるのは消費者ばかりではない。「10月から毎週、卸値が変更だなんて」と困惑気味なのは新日本石油系列販売会社のH社長(56)。石油元売り会社は原油価格と為替相場を勘案しながら値決めをするが、末端市場は極めて流動的。「となりの看板」を見極める毎日に疲弊しまくっているのに、「元売りは身勝手。毎週値上げだ値下げでは、たまったもんじゃあない」と嘆く。販売サイドがこんな状態だから、会社契約ならいざしらず、マイカー族はこれまで以上にガソリンスタンド(GS)選びには注意が肝心だ。

 GSを利用する上でもっとも必要なことは、「価格表示のあるGS選び」が基本中の基本。高値表示では客が来ないから、このところ看板掲示を嫌う経営者が増えたようだ。「値段を確認せずにモノを買う」のはガソリンぐらいだろう。消費者意識を逆手にとったデタラメ商法をまかりとおせてはならない。仮に看板があっても、潜水艦もどきのGSが各地に出現している。(潜望鏡を)上げたり下げたりするだけではなく、(看板を)出したり出さなかったりするデタラメGSがこのところよく目につく。「昨日の価格」に引きずられて給油をしたら「思いがけず高かった」ということになりかねないから注意するべきだ。

 価格志向でGS選びをするには、自宅周辺の東西南北の安値GSをキャッチすることがベターだ。全国各地の価格情報は、ネット検索がなにより便利。1万円、2万円の高額プリカを買い求めた場合、従来使い切れたカードが「高値になって使うのがバカバカしい」事態も予想される。頻繁に価格が変更される時には満タン給油はご法度。短期間で使い切れないプリカは、この情勢では不向きというワケだ。

 「給油中のクルマが多いから安値だ」と喜んではいけない。社員のマイカーを計量機に配置するGSがあるからだ。この商法、鴨猟でデコイを使うのと同じ。マイカーが「カモ」になってはイケマセン。一方、「会員になったら、リッター○○円安」という看板に引っかかってはなりません。その多くは基礎になる価格が不明瞭。「平均価格」からの○○円値引きだったら大変だからだ。

 給油するのに、マーク(ブランド)を選ぶ時代ではなくなって久しい。シニアドライバーが「○○マークのガソリンは燃費がいい」というのは俗説。オクタン価を中心に元売り各社が「品質狂騒」を行った時代ではない。20数年前から、業界合理化を受けて元売り独自の油槽所は激減、複数共同使用のオイルステーションが増えた。同一タンクに混合保管されているため、品質格差のつけようがない。昔は多かったガソリンや軽油に灯油を混入するケースは皆無。最近話題の不届き米屋と大違い。ガソリンが価格競争に走る素地(そじ)は、品質格差のなさにある。

 実はGS経営の前身が米屋というケースが多い。古くから石油(灯油)を扱ってきた経験から、石油販売業に踏み切ったのだろう。元は風呂屋というケースも少なくない。米屋であれ風呂屋であれ、いずれも生活に密着した職業。現代ではそれがGSになったのだ。わたしの住む茨城は全国的にもガソリン安値県だが、もちろん超高値GSもある。同地域内の中心地区と町はずれでは、同じ国道上でも「一律3円差」(長野県軽井沢町)というケースも少なくない。観光地だから高いだろうと断定は禁物、事前調査が必要だ。

 ところで11日付けのPJ記事 が意外な展開を見せていた。19日朝、新設大型GSでは顧客が激減。一方、「152円でも売れないGS」には引っ切り無しにクルマが入る。双方の価格は160円と157円の3円差。「現金カード」か「現金」かで差がついた感じだ。モノを求める場合、現金(クレジットカード)以外の余計な手続きを踏みたくないのが消費者心理。ましてや3円の差は大きい。設備の不備など関係なかったのだ。「設備不備だと思った」わたしは元業界関係者。実のところ、顧客心理を無視した経営陣が多いのが石油業界。現代は、(ストの出来ない)マイカー族が、売り手を上回るチエの出しどきかもしれない。【つづく】


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PJ 記者