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PJ: 穂高 健一

マナー向上になるか、新宿の路上禁煙キャンペーン(下)
2006年02月22日 06:47 JST


新宿の繁華街・モア2街で14日、路上禁煙を訴える人たち。(撮影:穂高健一) 

(上)からのつづき。ここ半年間は月曜から金曜の朝7時半から夕方4時半まで、4班(1班7人)がJR新宿駅、伊勢丹、西武新宿駅の周辺、さらには繁華街へと移動しながら、路上禁煙キャンペーンを展開している。「路上での喫煙は子どもの顔の高さに火があります、危険です。マナーを守ってください」とハンドマイクで訴え、ポケットテッシュを配り、喫煙者には簡易灰皿を差し向けてタバコを消してもらう。

 新宿駅から歌舞伎町に通じるモア2街で、キャンペーンを展開するグループ責任者は、「かつては一つの信号が変わるたびに、2、3人の喫煙者が必ずいました。最近は1人くらいですかね」と語る。喫煙者を見つけると簡易灰皿を差し向ける。「消せ」と命令したり、タバコを取上げたりすることではない。どこまでも路上禁煙に協力をもとめる姿勢を貫く。90パーセントの喫煙者は協力的で、消してくれる。残り10パーセントが反発したり、逃げたりするそうだ。

 新宿の歓楽街の土地柄か、見るからに怖そうな人物が多い。近づくには勇気が必要だ。いまでは怖そうな人でも協力的だという。昨年8月は、火を消してもらえたタバコが一日約180本。いまでは半分以下。それだけ路上喫煙者が減ったわけだ。

 街の声を聞いてみた。モア2街で花屋を営む「花政アルタ店」の渡辺勉店長は「見た目にも喫煙者が少なくなりましたね。この辺りでは吸えなくなったと、お客さんが言いますからね。以前は夜9時の閉店時間になると、店の周りは吸殻が散らかって汚かった。ビルオーナーが灰皿を撤去してから、きれいになりましたよ」と灰皿の撤去の効果を語る。

 新宿東口にある柿傳ビル受付係の山王堂(さんおうどう)さんは、「ある程度の効果は出ています。JRも駅構内で、禁煙キャンペーンに協力し、放送もやっていますからね。以前は路上の吸殻が多く、見た目にも景観が悪かった。道路から灰皿をなくした。それが一番ですね。いまでは吸殻があまり落ちてない」。日本全国の景勝地では、最近はゴミ箱を置かず、ごみの持ち帰り運動を推し進めている。灰皿撤去運動は、そうした効果と類似しているようだ。

 老舗・菓子屋の従業員に聞いてみた。「土、日となると、新宿の街は外部(遠方)から大勢が来ますからね。週末もやらなければ、効果はもう一つですね」という提案型の意見がある。これからの課題だろう。500平方メートル以上の区立公園では吸える場所を限定し、分煙を推進している。児童公園が多いそれ以下の公園では全面禁煙。

 「電話やメールなどで、もっと徹底しろ。PRはまだ足りない、という指摘もあります。半年経ったいま、気持ちを引き締め、第二ステップにむかいます」と宮端さんが語る。2月26日には「路上喫煙禁止」のPRイベントが行われる。パレード、ステージショー、キャンペーンが予定されている。区役所、企業、商店会、住民の努力のみならず、一般の通行人でも「マナー違反をしづらく注意しやすい環境づくり」。それが成否にかかっているようだ。

 新宿区にはもう一つの大きな課題がある。新宿区の昼間の人口は在勤、在学などを含めた約80万人。夜間は約30万人。夜の人口は少なくても、歌舞伎町などは日本一の歓楽街と賑わう。夜間の路上喫煙者は多い。この点の取り組みをも将来推し進めるとなると、難易度はかなり高くなるだろう。しかし、不可能ではないだろう。

 大都会を走る電車でタバコは吸えない、携帯電話の通話はできない。それはいまや泥酔者でも認識している。「路上ではタバコは吸えない」という意識に成功すれば、日本人全体のマナー向上につながる。この面からも、罰則でなく、マナーから取り組む新宿区への期待度は高い。

 全国の市町村でも、路上禁煙条例を作ろうとする動きがでている。新宿区役所にも話を聞きにきているようだ。【了】

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PJ 記者