PJ: 穂高 健一
暮らしのアイデア発想法・発明で稼ぐ=東京(中)
2010年04月02日 07:00 JST
市民発明家には、常にアイデアを出せる、頭脳のトレーニングが必要である。(撮影:穂高健一、3月17日、東京・千代田区) 
【PJニュース 2010年4月2日】(上)からのつづき。シニア大樂主催「シニアのための発明・発見サロン」では、受講生が発明した試作品を持ち寄る。
「仲間の開発品からも、刺激を受ける。それも訓練の一つです」
下村正講師は強調する。
落語家の平井さん(60代・男性)が薬袋『笑薬(しょうやく)』を披露した。外観は薬局でもらう薬袋とそっくり。そのなかには、丁寧にたたんだ小袋が10個ほど入っている。それぞれに小話が書かれている。
「笑いは健康に良いものです。この薬は効きます。笑薬は100円です」
平井さんが発明品について、中身の説明をおこなう。おもしろい、さすが落語家だ、と受講生から驚嘆の声があがる。
「売れますよ。力作です」
賞賛した下村講師が、受講生から意見や感想を求める。薬袋の材質は雨で濡れても読めるものにしたほうが良い。忘年会向けの販路の開拓を目指したら、売れる。知恵袋(アイデア品)なのに100円では安すぎる、とアドバイスや意見が飛びだす。
「薬を調合してもらう都度、新しいネタの小話が入ります」
平井さんの発明はロングセラーを狙っている。
藤井さん(60代・男性)は、市販品の事例研究として、首都圏の鉄道マップを掲げる。それは「ミウラ折り」で、超小型に折りたたんでいた。「このミウラ折りは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の衛星でも、太陽光の発電パネルの開閉時に使用されています。日本の知恵です。このミウラ折りを利用すれば、多くのものが超コンパクトになります」
受講者たちに、アイデアのヒントとなる製品を見せていた。
受講生の開発品で、「マキマキ・ボックス」が出された。紐を使った後、ばらばらになる、それを上手に改善していた。すでに市販されている。
佐藤さん(柏市・女性)は受講歴が2年。男性が夏場に背広を持ち歩く。それに目をつけて、ジャケットをスマートに持ち歩くグッズを発明した、という実績を持つ。意匠登録出願中で、1360円。新聞に取り上げられて、ずいぶん売れているようだ。
「この講座に来てから、日々、どうしたらよいアイデア商品が生まれるか、と考えています。自転車に乗れば、帽子、風で飛ぶ。そうすれば、ヘアピースのような留め金ができないか、と。私はいつも疑問符で考える、進歩した自分を見つけました」と話す。
持ち寄った商品は特許申請中とか、実用新案登録前とかで、発表できない製品も数多く、取材制限もあった。どれも実にアイデアがたっぷり。観ていて楽しいものだった。
平川さん(男性・守谷市)に入会の動機を聞いた。「五年間あたためているアイデアがあった。世に出したい。その指導を受けるためです」
池上さん(豊島区、女性)「物に対して興味を持てる。もっとこうなれば使いやすくなる。考えを持っていける。先生を中心に、アイデアのコツを話してもらえるところがよい」
「市民発明家は、つねに意外性を考える癖をつけることです。まったく新しいものを作り出すよりも、今ある不便なものを考えなさい」。下村正講師は話す。「欠点の改善は難しい。得意な点は伸ばしてあげる」という指導方針だった。【つづく】
■関連情報
NPO法人シニア大樂
記者HP:穂高健一ワールド
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