PJ: 穂高 健一
浅草ストーリーを創る人びと=春川ひろし(下)
2010年01月24日 07:32 JST
東京スカイツリー(墨田区)が2011年に完成すれば、浅草人の再起の努力と重なり、浅草の街は往年の活気と華やかさを取り戻すだろう。(写真提供:春川ひろしさん) 
【PJニュース 2010年1月24日】(中)からのつづき。今の時代はジャズそのものが人びとの心から疎遠となっていく。ジャズ・ドラマーの春川ひろしさんは、その現実に対して4年前、ジャズ演奏のなかに童謡を一曲入れて演奏してみた。観客は食い入るように聴いて、喜びを表現していたという。
「これだ、と思いました。日本人は童謡を歌わないで、心の中にしまっているだけだ。それを引き出してあげる」。ニューオリンズから生まれたジャズ演奏に、童謡を次々に取り入れはじめたのだ。
「聴き手の心にひびくんですよ。日本人の心の中には、童謡が流れているんです」。春川さんは温故知新で、童謡を浅草文化として育てたいと考えた。日本人の心の故郷「童謡」をデキシーランド・ジャズで演奏する。数年前には『春川ひろしと童謡デキシーランダース』を立ち上げた。その活動を積極的に展開している。
HUBで童謡を演奏すれば、毎回100人の席が満席になる。日本人の暖かさが浅草でもらえる、と好評だ。春川さんは浅草文化の一つになる、という手ごたえをつかみ、春川ひろし著『近代日本の音楽の原点は、童謡にあり』の冊子を発行し、配布している。
ユニークなのは若い世代の国際感覚が必要という認識から、ピアニストにはロシア人ピアノ・アレクセイさん(日本人女性と結婚)を加えていることだ。外国人観光客には、春川さんの童謡デキシーランド・ジャズをお国に持ち帰ってもらう。28カ国、地球6周半した春川さんは、童謡の国際化までも、視野に入れている。
東京スカイツリー(墨田区)が2011年に完成すれば、1年間のタワーの来場者は500万人を越すと見込まれている。浅草の隅田川とタワーという組み合わせの景観は抜群だろう。滝廉太郎『花』の華やかな情景がふたたびよみがえる。展望台で楽しんだ人たちが浅草に流れてくる。浅草の街はにぎわい、往年の活気を取り戻す。東京のみならず、日本を代表する街に返り咲くだろう。
『春のうららの、隅田川、上り下りの』という歌声が浅草から聴こえてくる。【了】
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記者HP:穂高健一ワールド
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