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PJ: 穂高 健一

世界に誇る景観、明治神宮外苑「いちょう並木」を語る=中田勝美さん(下)
2009年11月25日 06:00 JST


明治神宮外苑「いちょう並木」の大樹は146本。黄葉にはズレがあり、青々とした緑、うすい黄色、まっ黄色、と時どきで色合いが違う(撮影:滝アヤ、11月20日) 

【PJニュース 2009年11月25日】(上)からのつづき。明治神宮外苑の「いちょう並木」は、11月後半から12月初旬にかけて見事な黄葉となる。いちょう並木の146本が一度に黄色になるのではない。まだ青々している緑、黄色、うすい黄色、と色合いが常に違っている。早く黄葉になれば、早くに歩道に散って絨毯(じゅうたん)となる。色彩は立体的になる。

明治、大正時代とは違い、外苑の「いちょう並木」周辺は高層ビル群となった。いちょうの天高をはるかに超えている。いちょう並木は決してビルの谷間に沈まず、堂々と4列で聳(そび)えている。

同苑・庭園課の責任者である中田勝美さんは、「いちょうは緑の量も、豊富です。気品も高く、公害に強い樹です。とても良い景観を作ってくれます」と愛着を語る。

並木道は、通行量が多い車道をはさむ。害虫駆除のための殺虫剤は一切使っていないだけに、中田さんたちの苦労は多いようだ。戦時や落雷で、傷ついた樹もある。それでも現役でいる。外苑造成のときから一本もかけていない。

「私の代で、もし1本のいちょうが枯れたり、倒木したり、失くしたりしたら、どうしよう。他から同じ樹を持ってくるわけにはいかない」と、中田さんは伝統樹を管理する緊張感を語る。「黄葉が終わり、冬を越し、芽立ちが遅い樹があると、不安です」とつけ加えた。

外苑のいちょう並木の管理は、明治神宮外苑、東京都、港区という3区分で受け持つ。相互の連絡は密にし、剪定(せんてい)の時期など(4年に一度のペース)は歩調を合わせている。

剪定については、「いちょうの主幹は伐(き)りません。下枝に日光を当てるため、混んだ枝を透かし、円すい形を維持するように心がけて行います」と話す。目に見えるところだけでない。現在、都が管理する2列において、歩道を掘り起こし、根の育成を助ける土壌改良をしています、と教えてくれた。

外苑が管理する2列のいちょうは、生活面積(土地の有効幅)があるので、いまのところは根の成長の障害はないという。

中田さんには、他の苦労談をも聞いてみた。「銀杏の実が落下する頃は大変です。オスが44本で、メスが102本です。3分の2は実がつきます。数が多いだけに、手はかぶれるし、悪臭だし、閉口します」と話す。

「一般の方々は、樹に登らないルールを守ってくだされば、銀杏の実は自由に拾っていただいています」。銀杏の実だけを取って、果肉は捨てて行く人も多い。不快臭は一面に漂っているという。「銀杏の実は一粒ずつ、形、大きさ、色が違います。味は微妙に違うのでしょうね」と語る。

11月に入ると、同苑には土、日曜の見ごろ時期など、問い合わせ電話が数十本入ってくるという。従来は11月23日が黄葉の最大ピークだった。温暖化の影響か、年々、盛りが後ろ倒しになってきている。「今年は秋口から寒い日が続いたので、むしろ早まっています」と中田さんは話す。

「いちょう並木の景観は世界に誇るものです。平日に、ゆっくり観賞していただきたいですね。黄葉だけでなく、新芽のいちょうはきれいですよ」と中田さんは教えてくれた。

来春の楽しみができた。【了】

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