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PJ: 穂高 健一

吉報! 田子の浦(海抜0メートル)から富士山頂への全ルート地図が完成(4)
2009年08月26日 08:00 JST


田子の浦の富士塚(海抜0メートル近く)から富士山頂を仰ぐ、標高差3776メートルの『村山古道』ルートの地図が完成した。(写真提供:畠堀操八さん) 

【PJニュース 2009年8月26日】(3)からのつづき。畠堀操八さんによる、2万5000分の1の精密な地図『村山古道を歩く』が発刊されたばかりだが、PJは電話取材で現地の反応を聞いてみた。寺田数夫さん(富士宮市・村山2区区長)は、村山古道の再発見に村の青年団が深くかかわっていたという。それだけに、ルートは熟知していた。

「樹海の道です。初心者は地図だけで登れない。登山経験者も地図を過信しないで、ルートを知る人と一緒に登ってほしい。なにしろ、県や林野庁は道標を設置させてくれないから、つけても、行政命令で外せ、といわれる。なにもなければ、迷いやすい道です」と強調した。北海道の遭難事故をたとえに、登山経験者でも、山は危険なものだという。

畠堀さんは足で調べて写真や説明が適切に貼り付けられている、と評価する。他方で、「海岸線まで、地図が必要ですかね」と、登山地図と市街地図との合体には、懐疑的だった。

同地図は地元の小学生・中学生の全員に無料配布された。富士根北中学校の加藤先生の評価は違っていた。「畠堀さんの道案内で、村山古道の一部を登った生徒たちは、地図を見てあらためて感動していました。田子の浦の海抜0メートルから富士山頂。一目瞭然で、標高差3776メートルが実感として伝わってきたようです。地元の史的財産がわかり、教育面から価値があります。校内にはこの縦長の地図を、長く掲示させてもらいます」と語った。

浅井賢治さん(富士市観光ボランティア)は、「市街地の名所や旧跡を説明するのにも、細かくいり込んで、ふだん口で説明してもわかってもらえない。この地図は有用で、ありがたいな、と思います。80人のボランティアにも勧めて、観光協会としても、来年からは大いに利用させていただきます」と語った。この先、富士山が世界遺産として認められたならば、同地図は大切な資料になる、と確信に満ちた口調で語った。

『村山古道を歩く』地図を作った畠堀さんは、「初心者だけで、このルートに入ってもらったら困る。登山経験者ならば、この地図があれば入れます。ただ、豊かな自然が残り、至るところに修験道遺跡が眠っています。携帯トイレを持参したり、やたらに通路からはみ出したりしない、というルールを守る、新しい登山スタイルを考えてほしい」と強調する。

PJの意見は、寺田数夫さんに似る。登山経験者も同地図を過信しないで、ルート経験者、あるいは現地の村山の人、畠堀さんたちと一緒に登ってほしいと思う。理由としては、登山歴が長くても、その実、道標がなければ地図と磁石が使いこなせない、という人がほとんどだから。倒木とスズタケ、入り乱れる作業道とけものみち、10時間は水一滴補給できないロングコースである。甘く見ないことだ。

山の条件は刻々と変化する。突如として、厳しい登山を強いられることもある。ベテラン登山者にとっても、同地図は心強い味方となるだろう。【了】

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記者HP:穂高健一ワールド
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畠堀操八著・地図『富士山・村山古道を歩く』
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