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PJ: 穂高 健一

吉報! 田子の浦(海抜0メートル)から富士山頂への全ルート地図が完成(2)
2009年08月24日 10:04 JST


右が登山道。ついつい左に延びる補植用の作業道に吸い込まれてしまう。96年9月の台風では、富士山南面で1000ヘクタールの風損林を出した。(写真提供:畠堀操八さん) 

【PJニュース 2009年8月24日】(1)からのつづき。畠堀操八さんは、3年前に著作『富士山・村山古道を歩く』を出版している。出版元の風濤社のホームページから、地図のダウンロードはできる。それに気づく人も少なく、鮮明さにも欠けるものだった。そこで、畠堀さんは書籍『村山古道を歩く』を補完できる、紙の地図の必要性をつよく感じていたのだ。

村山古道のうち、標高1000メートルまでの人工林は、枝打ちや間伐(かんばつ)作業が進んでおり、ブルドーザーが随所で登山道を引っ掻きまわしている。ルートが不鮮明になってしまう。地図の需要がいっそう高まってきていたという。

村山古道の標高1000メートル以上は、国有林を通過する。村山古道を「公道」として認めたくない静岡森林管理署と、畠堀さんとは対立関係にある。それだけに国土地理院の複製許可に苦労があったのではないか、と聞いてみた。

「国土地理院の許可はかんたんに出ました。地図の発行・複製の許可といったことは、政治的な中立性がなければ無意味ですからね」と話す。

畠堀さんは、「静岡森林管理署のように、そのときに赴任していた役人の思いつき(青森県の奥入瀬渓流落枝事件では国が敗訴。同じような裁判ざたを怖れた、立ち入り禁止の処置とみなす)で、行政がゆがめられてはかないません」と、富士登山者の側に立って話す。

同地図の特徴のひとつは、登山道入り口の明記だ。村山古道は富士山スカイラインを2回横切る。途中からの入り口がわかりにくい。マーキング、道標を作れば、盗まれてしまう。

「スカイラインの距離標識を利用して、写真で明示しました。縦道は10.8キロ標識で横切る、横道は7.8キロ標識で横切る、というふうに。いかに村山古道が嫌いな人たちでも、まさか道路標識まで撤去できないでしょう」と畠堀さんは苦笑する。

この地図作りで、最も苦労したのは印刷技術の問題だったという。田子の浦から富士山頂まで2万5000分の1の縮尺で収録するには、天地108センチ、つまり週刊誌32ページが1枚で刷り込める「四六全判」の紙が必要である。
「この大きさの紙を刷れる機械は、神奈川県にはありませんでした」。そこで、あえて印刷機械を持っていない、印刷屋に頼んだという。

「幸運でした。村山古道ファンで、自社に印刷機がないので、自由に必要な機械が探せる立場でした。この地図は、すぐ開けるように経本折りにしています。その制作ができる折り屋さんを探すのもたいへんでした」と語る。

制作面の苦労は尽きなかったようだ。「レイアウトは私が一つひとつ指図しました。制作オペレーターが、国土地理院の数値データを8枚つないで、斜めに切り取る。写真を象嵌(ぞうがん)し、引き出し線を引いて、文字を貼り付けていきました。膨大なデータ量ですから、加工作業は大変な苦労でしたから、その人の名前を奥付に印刷しています」と話す。

2万5000分の1の地図は全部の地形が確実にわかる。写真の場所を指示する矢印は、道の右とか左とかを厳密に正確に行う必要があった。「こまかな指示が延々と続きました」と苦労を語る。【つづく】

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記者HP:穂高健一ワールド
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畠堀操八著・地図『富士山・村山古道を歩く』
連絡場所:〒252-0813 藤沢市亀井野4-12-44
メール:37en-no-gyojya76@jcom.home.ne.jp



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