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PJ: 穂高 健一

日本の美しさ。レトロ山手で、魅力ある歴史散策を=横浜市
2009年08月19日 07:12 JST


「外交館の家」は木造二階建て、塔屋付きで、ロマンチックな異国ムードがたっぷり。明治の外交官の内田定槌が個人の家として建てたもの。(撮影:滝アヤ、8月18日、横浜市) 

【PJニュース 2009年8月19日】横浜開港150年の大博覧会が開催中だ。「開国博Y+150」は9月27日まで、夏休みの盛り上がりはいかなるものか。8月17日、横浜に取材に出掛けてみた。桜木町駅、関内駅、石川町駅など、主要な駅前はまったく盛り上がりに欠けていた。横浜市民は他人事の大博覧会なのか。そんなふうにすら思えた。

開港150年の歴史的イベントのキャッチは、『「開国博Y+150」という名の船があなたを乗せて出港します』である。中田宏横浜市長が任期途中で職務を投げだす。途中辞任は首相もやるし、流行にしろ、これでは市民にイベントへの熱意がなくて当然だろう。同船は市長とともに沈没したと、揶揄(やゆ)したくなる。

トップから市民まで強い熱意がなくして、不況で財布が硬いさなか、全国から満足な集客などできるはずがない。

これでは「開国博Y+150」への熱意の取材記事など書けない。横浜開港当時の外国人居留地だった、丘陵の閑静な「山手」を歩いてみた。

JR石川町駅から、急な勾配の大丸坂道を登ると、山手イタリア山庭園である。そこには「ブラフ18番館」と、「外交館の家」(国の重要文化財)が同一の敷地に建ち並ぶ。外交館の家は木造二階建て、塔屋付きで、ロマンチックな異国ムードがたっぷり。手入れのいき届いた庭園には、ブルーサルビア、百日紅(サルスベリ)など夏の花が咲きほこる。訪ねる人は途切れない。

関西弁の女性、地方からの大学生、西洋、東洋の外国人がやってきて、静かに観賞している。市長不在の声高な横浜開港150年のテーマイベントには踊らされず、歴史的な本ものをみてまわる賢者に思えた。

なぜ、外交館の家なのか。明治の外交官だった内田定槌(うちだ さだつち)が個人の家として建てたもの。彼は日露戦争後のポーツマス条約の締結で、小村寿太郎を側面から支援した人物である。各国の公使としても活躍している。建築は1910(明治43)年で、設計者はJ・M・ガーディナー(アメリカ人)である。当初は東京・渋谷区にあった。1997(平成9)年に、横浜市の管理の下、山手イタリア山庭園に移されている。

同館は優雅な価値ある建物だが、入館は無料。内部に入ると、一階は食堂や大小の客間など。二階は書斎や寝室などで、ともに重厚な家具や調度品が納まっている。

山手イタリア山庭園から、次なる元町公園に向かった。途中で、カトリック山手教会が左手にみえてきた。わが国最初の洋風教会堂として建てられたもの。観ているうちに、異国の情感が全身に染み渡った。

元町公園には、エリスマン邸(建築当時・生糸貿易商の私邸)、山手234番館(同・外国人向け共同住宅)、ベーリックホール(同・イギリス人貿易商の邸宅)などがある。いずれも、現在は横浜市認定歴史的建造物に指定されている。

「港の見える丘公園」に隣接するのが、赤レンガと白壁が美しい「山手234館」だ。さらには見落とせないのが、英国総領事館の公邸だった「横浜市イギリス館」である。1990(平成2)年には横浜市指定文化財となり、2年後からは一般見学もできる。

横浜の外国人居留地の山手西洋館を一通り回った。そして、「港の見える丘公園」に入った。横浜港の眺望は、超一級である。昼間も、夕暮れも、夜景も美しい。【了】

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記者HP:穂高健一ワールド
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