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PJ: 穂高 健一

さあ大変だぞ! 日本の出版界はどうなる。図書のデジタル化で、生き残れるのか(中)
2009年08月04日 14:09 JST


シンポジウム『日本版デジタルアーカイブを構想する』で、国立国会図書館の長尾真館長は、図書や資料を全国の各図書館に配信したい、という構想を打ち明けた。(撮影:滝アヤ、7月27日、東京・千代田区) 

【PJニュース 2009年8月4日】(上)からのつづき。国立国会図書館には膨大な数の発刊物がある。図書は900万冊、刊行物は1200万点、博士論文は48万点、地図は50万点、その他として録音類、マイクロフィルムなどがある。

一般の利用者はわざわざ東京・霞ヶ関の国会図書館に行かなければならない、という不便さがある。同館の図書や資料のデジタルアーカイブ化されて、日本中の公立図書館、学校図書館などに配信されたならば、どうなるのか。地方の人は大歓迎だろう。東京に出向かなくても、日本中の書籍、資料が読めることになるだから。

各地の図書館が一歩進めて、貸し出し方式で、登録者には自宅のパソコンで読める、という仕組みを構築したならば、どうなるのか。利用者はこれも歓迎だろう。作家や出版社は、さあ、大変だ。「ますます本が売れなくなる。明日の生計はどうなるのか」と不安は増すばかりだ。

これまで書籍や出版物は著者、出版、取り次ぎ、書店を介して読者に売られていた。これら法律の保護が取り外されたことにもなるのだ。

国立国会図書館の動向が近年になく注目されている。同図書館の長尾真館長はデジタル化の最先端に立つ人物だ。「来館者と同様に、いつでも、どこにいるひとでも、同等のサービスを提供したい」と意欲を燃やす。つまり、近い将来は全国の各図書館に配信したい、という構想をもつ。

渦中の人、長尾真館長がパネリストになる、シンポジウムが7月27日、東京・千代田区の東京電機大学の丹羽ホールで開催された。主催は日本ペンクラブ、日本出版学会で、『日本版デジタルアーカイブを構想する』という地味なタイトルだ。一回目はグーグル問題だった。今回は二回目で、長尾真館長の生の声が聞けると、主催者の予想をはるかに超えた、大勢のひとが参加した。(推定200人以上)。

パネリストは他に、三田誠広(作家、日本文藝家協会・副理事)、秋重邦和(大日本印刷、常務)、山田健太(専修大学准教授、日本ペンクラブ言論表現委員長)、植村八潮(東京電機大学出版局、日本出版学会副会長)の5人である。(敬称略)。

主催者側が用意したレジュメ(配布資料)が大幅に不足し、慌ててコピーを数十枚も刷る事態となり、それが配布できたのは開会から一時間半後だった。

長尾館長の発言に注目が集まった。今年度の補正予算で、国会図書館のデジタルアーカイブ化で165億円がついた。「その補正予算で、まず1968年までの図書、戦前の雑誌、博士論文、古典籍、官報など約60万冊をデジタル化します」と話す。

「図書資料のデジタル化のために、継続的に予算を確保していきたい」と、単年度にはとどまらないだろう、と見解を述べた。【つづく】

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記者HP:穂高健一ワールド
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