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PJ: 穂高 健一

今年も燃えたぞ、シニア・パワーの演芸=東京(下)
2009年07月22日 07:18 JST


三遊亭花王は、TVワイドショーのレポーターを長くやってきた。異色の女性落語家だ。(撮影:穂高健一、7月5日、東京・文京区) 

【PJニュース 2009年7月22日】演多亭が7月5日、東京・文京シビックホール・小ホールで行われた。観客の多くがシニア層で、半数以上がリピーターのようだ。「入場料1000円で、バラエティー豊かな演芸が楽しめる」と毎年、この公演が楽しみ、という声が多かった。

例年は平日だが、今回は日曜日の午後。前売りの段階で、席は完売されていた。公共施設だけに、定員オーバーの水増し販売はしていない。その分、当日券がなくなっていた。
演出の杉哲男さんは、「世間では土、日曜にイベントが集中します。それに家族サービスもありますからね。チケットは売れたけれど、果たして、演多亭に来てくれるか」と開演前はずいぶん気をもんでいた。満席をみて安堵(あんど)の顔だった。

第二部は寄席が中心だ。上方は漫才、江戸は落語。その伝統から、観客には落語ファンが多い。日常生活のストレスを発散させるかのように、笑いのなかに没頭していた。「落語が楽しめた」という会場の声が多かった。

異色の女性落語家が誕生した。三遊亭花王は、TVワイドショーのリポーターを長くやってきた。現在の活動は社員研修の講師が中心。昨年から落語の研究会である、三遊亭圓王主催の『三遊会』で指導を受けている。

「落語歴は1年の若葉マークです。一年に一つのネタのペースで、無理をしないで、長く落語を楽しみたいです」と話す。今回の出し物は『桃太郎』で、彼女にすれば、2つの目のネタだという。

観客の前で、『桃太郎』を噺すのは、きょうが始めだという。「最後までセリフが出てくるかしら。途中で忘れたら、と不安です」話してから、舞台に上がった。彼女は場慣れした態度で、そつなく観客を笑わせていた。

「花王さんの、子どもの口調が面白かった」、「もう少し、子どもは小生意気にしたほうがもっと楽しいと思う」という感想や意見があった。

のこぎりキング下田は世界一の楽器で、メロディーを奏でる。演多亭の常連で、ファンが多い。のこぎり演奏を初めて聞いた人は驚きを表す。「変わった、聞きなれない、ノコギリ音が楽しかった。アベマリア、愛の賛歌がよかった」と話す。

三遊亭圓塾は元大手電気メーカーの研修所長だった。社会人時代から、落語の舞台に立つ。リタイア後は落語1本。当人はセミプロだという。

演多亭のコーディネーターでもある圓塾には、プロ芸人は、アマと一線を画したいのではないか、とずばり聞いてみた。「演多亭が旗揚げした当初、、同じ舞台に抵抗ある人もいました。しぜん離れていった人もいます」と認めた。

「きょうのプロの出演者に共通するのは、偉ぶらず、驕(おご)らず、楽屋でも、分け隔てなく、ざっくばらん、仲良く語り合っています」と話す。

大正演歌の福岡詩二、落語真打の柳家小団冶と三遊亭圓王、それらに共通するものは、私塾を開き、素人にも門戸を広げて芸を指導していることだ。それは『弟子入り』の徒弟制度でなく、一般人が望む範囲内で芸を身につけさせている。

2時間半の公演の後、意見を拾ってみた。「今後も、いろいろな芸を加えてほしい。口笛演奏などおもしろいのではないか」。「からだを動かす、イベントがよい」「シニアの熱気と活力には、敬服します」、「きょうは活力をもらった」と評判は上々だった。

日本人の寿命はさらに延びた。「演じる側、観る側ともに、笑いが長生きの秘訣だ」と司会者の若林一声が強調していた。【了】

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