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PJ: 穂高 健一

報道写真から、世界が見える、人間がわかる、将来が読める(4)
2009年07月09日 07:18 JST


「自然」の部 単写真1位 カルロス・F・グティエレス チリ、パタゴニア・プレスからディアリオ・ラ・テルセラ紙チャイテン山の噴火(=5月2日、チリ) 

【PJニュース 2009年7月9日】(3)からのつづき。「世界報道写真展2009」の主催者は案内のなかで、「世界には数え切れないほどの生があり、死があり、愛があり、憎しみがあり、喜びがあり、悲しみがあります」と述べている。ジャーナリストたちはかぎりなくシャッターを押し続ける。悲惨な現場、喜びと感動の姿、衝撃の一瞬など、諸もろを切り取る。そして、世界に発信するのだ。

「スポットニュースの部」、組写真2位は、ボー・ボール(BO BOR 中国)で、中国四川省の地震をロイター通信で配信したもの。08年5月12日に、大地震が中国四川省の東部を襲った。マグニチュードは7.9。人間の力は弱く、自然の脅威(きょうい)のまえに為すすべもない。7万人の死者が出た。多くの建物や構造物が倒壊した。

四川省・北川県は、最も被害が大きかった。瓦礫のなかで、生き永らえた人たちが座り込む。救援活動の中国兵士たちが生存者を運び出す。瓦礫(がれき)に埋もれた遺体が顔だけを地面から出す。それはまるで打首された男性が頭部を地面に置かれたように。ジャーナリストが正面から鮮明に撮影しているだけに、強烈だ。

「この写真はつらいわね」

観ている女性が二人して語り合っていた。これが大規模な自然災害の現実なのだ。逃げる間もなく、生き埋めになって死んだ姿だ。

かつて共産国は報道規制で、大災害が発生しても、外国には伝わりにくい面があった。欧米のジャーナリストたちが被災地に潜伏(せんぷく)し、その実態を持ち出す。時間も経つし、海外からの援助ルートも満足にできなかった。同展では、アジアのジャーナリストの投稿が急増しているという。アジア各国に報道の自由が広がり、フォートジャーナリストたちの活躍の場が拡大しているのだ。

同展では、他にも中国人ジャーナリストによる、四川省の被害を切り取った入選作がある。彼らは懸命に被災地の状況を海外に送った。被害の実態がリアルに世界中に伝わった。それだけ早く、国際的な救助の手が届いている。

「自然」の部 単写真1位はカルロス・F・グティエレス(チリ)で、パタゴニア・プレスからディアリオ・ラ・テルセラ紙に掲載された。チリ・チャイテン火山が5月2日に、9400年ぶりに噴火した。噴煙(ふんえん)の熱で生じた、放電現象による雷光が夜空に燃えている。写真を観る側とすれば、まさに芸術的な美しい写真だ。裾野の住人は、溶岩流(ようがんりゅう)と火山灰が押し迫り、逃げ惑う、恐怖のなかにいたと思う。

日本は火山大国、地震大国だ。火山の爆発とか、大地震とかは身近な深刻なもの、体験に基づいた恐怖を感じる、という受け止め方ができる。つまり、被災地の住民の立場で報道写真を観ることができる。

自然災害の被害を伝えることは重要だ。天災は裏を返せば、人災の面がある。ジャーナリストたちは、ここらをどう伝えるか、それも課題だろう。【つづく】

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記者HP:穂高健一ワールド
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東京都写真美術館
会 期: 8月9日(日)まで
■休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
■料 金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 400(320)円



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