SakuraFinancialNews

PJ: 長戸 稔

「自分の子供との間に壁をつくってはいけない」と反省=みじめな「アル中」(その6)
2009年11月10日 09:52 JST


社団法人:三重断酒新生会の写真提供です。 

みじめな「アル中」、“好ましくない世代間連鎖は自分しか断ち切る事ができない” (その5) 私のことであるこのタイトルを最後(2008・11・7)に、全国のアル中患者の相談に、現地に出向き、アル中本人はもちろんの事、親に合う事を前提に断酒活動を続けていました。ただ、アル中家族の相談事はプライバシーが多く、公開はできませんでした。その様な平凡な日常の中で、09年11月2日、私が三重県内にある日赤病院の救急救命センターに担ぎ込まれ、入院しました。 PJ長戸さんへの手紙、「奇跡」は起こります、お伊勢さんがついてますという、11月2日のPJニュースに書かれている通りです。

来年の2010年1月6日に再度、日赤病院に行く予定になっていますが、それまで命があるなら、みじめな「アル中」を仕上げたいと思っております。私ごとを書かせていただいてスミマセン。

アル中(アルコール依存症)問題家庭が一番に悩む点
断酒して21年目を迎える私は、前妻の子ども2人がいる父親です。その子供たちは子供を持つ親になっています。実息たちが幼児期と青春期の間は、私はアル中の酒乱時代であった。2人の子どもがどのような心理状態で過ごしていたのか、最近になって、その事についてようやく気がつき始めた。息子たちはその事について、一言も愚痴も言わないでいてくれた。

『断酒が継続されているだけでは回復はない』。この言葉に出会った時、私は頭をハンマーでガツンと思いきり殴られた思いがした。今日はその事を中心に書いてみたい。

私には前にも書きましたが、43歳の男の子、45歳になる男の子がいます。やはり、酒は飲むらしい。救いはアル中でない。嫁2人が来て家内と話していた。子供から見て、アル中の親を持つ家庭はたくさんの問題点がある。毎晩、毎晩、酒に酔って帰ってきて、大暴れをして、家内をいじめて、静かになったと思ったら大の字になって寝ている。親らしい事をしない父親に代わって、母親が、長男がその役目をする。

(1)父親は子供よりも、酒に関心が・・・。
アル中は、子供は2の次、3の次です。自分の子供がかわいい事が分かっていても、1番は酒です。信じられないが本当なのです。母親は明日の生活資金の事で子供の事なんか考えられない。親が居ても親が居ないのと同然の生活です。地獄の世界を見たけりゃ“アル中家族を見よ!”です。

(2) 常に緊張している家庭・子供は感情を押し殺す。
一般的に見て、アル中問題家庭で育った子は暗くて、だまりがちで、常に緊張して身構えていて、子供らしさがない。その結果、情緒的な交流がありません。

内面的に屈折された環境の家庭で育ちますと、子供たちも自分の感情を表現ができなくなります。常に感情を押し殺して生活していると、自分の感情が分からなくなります。私の父親が大酒のみでしたから、私は家業である料理屋を継がずに、53年前に単身で東京に出ました。

(3)家族のつながりで一致協力がない、バラバラに・・・。
アルコール問題があるわが家では、何か問題が起きると、普通の家庭では、家族問題に向かって父親が主になって、母親がサポートするのが当たり前なのに、その問題解決に向かい一致団結して取り組む姿勢が、生まれてこない。

その結果、子供たちは自分の家庭が困難の立ち向かった時、家族の一致協力がないのです。幼い時から、子供たちは父親・母親から“一致協力”と言う教育をされてないから、適切に対応する力が養われてないから。

(4)「一家の英雄」 「一家の調整」 役など子供が大人の役割を持つ。
アルコール問題家庭で育ったわが息子たちは、今、思うととんでもない役割を演じてくれていたのに気がつく。それは本来、子供がするような役割ではないのです。母親が必死で家庭を守るのを見て、時には「一家の英雄」 「一家の調整」役を演じてくれていたんだと思うと、子供たちのおかげで断酒が継続できているんだと今ごろになって、やっと,気が付くばかな俺だったと後悔している。

長男は家庭のなかの大きなストレスのために、家庭を守るために、高校一年でありながら社会に抵抗していたと先日話してくれた。そんな事があったなんて初めて知った。

(5)これが子供のルール! 「感じるな」 ー「しゃべるな」ー 「信じるな」
アルコール問題家庭の子どもは、この様に、生きながら、死んでいる状態を自分たちでつくっていた。「感じるな」 と言うのは家庭内では、信じられない事が起きる。それらにいちいち反応するだけの能力はまだない。「しゃべるな」は他人に、家の事を話す事は、恥と考え誰にも話そうとしません。

「話してどうなる、誰も分かってくれない」と心を閉ざしてしまう。友達にも、学校の先生にも話していないとその当時の事を長男(現在は3児の父親)が話してくれた。

(6)子供たちはどうなるのか?
わが息子2人は、アルコール問題家庭で育ち、大人になり、成人式を迎えて結婚した。「機能不全家庭で育ち大人になった人」 「アルコール問題家庭で育ち大人になった人」の事をアダルトチルドレン(AC)と呼び、断酒会の対象として取り組み始めたのは、十数年前だと言う。

私の1970年代頃は、「断酒」するにはどうするか、 断酒継続出来る事が目標の最大であった。わが子供を巻き添えにした末の結果が、「断酒継続21年であったのか・・・!」 実に取り返しのつかない罪を背負ってしまった。今後の問題として考えたい。

多くの反省点から、ひとつずつ課題を拾い上げていこうと思います。「まず、子供と話し合いができる雰囲気をつくろうと思う。面と向かって向き合おうと思う。」「いまさら親父、なんだい」と息子から怖い顔で言われそうです。そうされても仕方がない。気長に身構えて、親と子の関係を再構築する事の方が大事だ。

21年間断酒継続出来たのは、「お前たちのおかげだ!」と感謝して、わびたいだけだ。今後はアル中の親を持った子供に対してできる事は、子供は子供の人生を温かく見守り、できることならサポートしたい。

アメリカのクリントン元大統領は、アルコール問題家庭にそだったと公言しております。「子供の頃は家庭が荒れないように、ずいぶん気を使った。これは大統領になってからも、ことを収めると言う事とでは役に立っている」と・・・。【つづく】

■関連情報
全日本断酒会への手引き
三重断酒会への手引き

PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。海軍兵学校78期

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者