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PJ: 長戸 稔

みじめな「アル中」-体験者断酒実戦論(その3=回復過程の心理状態)=三重・伊勢
2009年04月25日 05:25 JST


三重断酒新生会 (撮影:県立心の健康センター提供) 

前回の記事1988年5月12日午後7時、断酒例会「広島ふたば会」の門をくぐった。毎週日曜に開かれている。男性の部と女性の部に別れ、例会場も別の部屋になっていた。対面方式で、約5年と断酒歴の長い人が7人くらいが、正面にこちら向きに畳の上に座った。わたしを含めた断酒初日から断酒3年の参加者が多かった。総勢約150名のうち女性は3名くらいだった。会長が真剣な表情であいさつした。全員で『心の誓い』『家族の誓い』、『断酒の誓い』の言葉を思い切り大きな声で朗読した。体験発表の前に朗読することは全日本断酒連盟の規則になっている。

『心の誓い』
私は酒害から回復するため断酒会に入会しました。
これからは例会に出席して酒を断ち、新しい自分をつくる努力をいたします。
多くの仲間が立ち直っているのに、私が立ち直れないはずはありません。
私も完全に酒を止める事ができます。
私は心の奥底から、酒のない人生を生きることを誓います。

『家族の誓い』
私は夫(息子・妻)の酒害に巻き込まれて悩み苦しみました。
アルコール依存症は家族ぐるみの病気です。
病気だから直さねばなりません。また、直すことができます。
これからは酒害を正しく理解し、互いに協力して心の健康を回復します。
私は断酒会の皆さまとともに、幸せになる事を誓います。
私は断酒会の皆さまとともに、幸せになる事を誓います。

『断酒の誓い』
1、私たちは酒に対して無力であり、自分ひとりの力だけではどうにもならなかった
事を認めます。
1、私たちは断酒例会に出席し、自分を率直に語ります。
1、私たちは酒がいたい賢を掘り起こし、過去の過ちを素直に認めます。
1、私たちは自分を改革する努力をし、新しい人生を創ります。
1、私たちは家族はもとより、迷惑をかけた人たちに償いをします。
1、私たちは断酒の歓びを、酒害に悩む人たちに伝えます。

これらの朗読が終わってから、体験発表に移った。発表の順番は決まっているわけでないので挙手をするだけでよかった。恥ずかしいなら発表しなくても良い。自由だ。

断酒例会って何? ―どうしてお酒がやめられるの?-
ここでいったん、社団法人・全日本断酒連盟について紹介しよう。加盟の断酒会は、北海道から沖縄まで全国各地にある。また、全国には当連盟以外の当事者グループもある。断酒会は、全国大会・地域大会・研修会とイベント開催も数多くしているが、活動の基本は断酒例会だ。「断酒例会」に出席を続けると、断酒継続が可能になっていくという。

あなたに、お近くの断酒会を紹介しよう。社団法人 全日本断酒連盟(Tel 03-3863-1600)のホームページの「相談窓口」をクリックすると、都道府県別の断酒会の連絡先が現れる。

「ヒロシマふたば会」の断酒例会は午後7時から始まった。集まった断酒会員が合唱した。マイクは使わない。コの字型に座った。断酒歴の長い人に向かって全員で正座していた。力一杯唱和せよということだったけれども、下を向いて座っているだけが精一杯だった。後列で前の人が見えるけど、前列の人は声が高い。わたしのうしろは家族の人。幼稚園の子供がいるのには驚いた。2時間の重苦しい時間が過ぎた。この会場まで連れてきてくれた広島断酒会の人らと別れて帰路についた。

本人以外の周囲の人が絶対に心得ておくべきこと
本人以外の周囲の人が絶対に心得ておくべきこと。それは断酒例会は次の日曜日に必ず開催されること、7日目にやってくることは本人にとって辛い。「この会場へ二度と来るものか」と本人は思うのである。あの断酒会場の雰囲気は独特のものである。酒をやめる気持ちのない者が、酒を飲まない団体に所属するのだから、その気持ちを察して欲しい。

断酒宣言しても、断酒する気持ちがないのが本音でしょう。それがどうして断酒につながっていくのかと言うと、その気持ちがうそでも「断酒宣言」しなければならない状況に本人をさせたと言うことが大事だからです。うそだと思ってもうそだと否定する事だけは絶対にやめてください。

余談になりますが「アルコール依存症」の平均寿命は53歳から55歳といわれる。 酒をやめられて摂生すれば長寿が可能になります。ちなみにわたしは8月4日で70歳です。50歳で断酒会につながり、断酒継続ができましたので、元気に記者として取材ができています。

「断酒会の仲間」はアルコール依存症を『助ける事で自分が助かること』を知っているのです。断酒会々員だから断酒活動をしているのではない事を知ってください。初心者は絶えず戸惑いうろたえています。この「出会いのチャンス」を周囲の人は、生かし続けられるように力を貸してあげてください。2回目のこの「出会いのチャンス」には首に縄を結び付けても連れて行ってください。この1週間のうちに失敗があってもこの「出会いのチャンス」に結び付けてあげてください。

わたしは失敗に失敗を重ねて親兄弟」からも、見放されて一人身になりみじめな「アル中」人生を過ごしていました。今の家内が粘り強く「断酒会」につながらせてくれました。「断酒会」は体験談に始まり体験談に終わると言われております。

おのれを語ってこそ自分が生きる事ができ、助かり、人を救うことができるのです。体験談を聞くことで気付き、いままでの自分を修正することができるのです。人との間にきずなが生まれて、酒で苦しんでいるのは俺だけではないのだという一体感が芽生えてきます。つらい時にはこの断酒会の中で生かされていることに感謝し、今日一日を精いっぱい生きることを教えてくれたのが断酒会でした。

一人では断酒は絶対にできない。「断酒会」があればこそ立ち直ることができます。絶対だと言い切れます。「アルコール依存症」で苦しんでいる本人、家族の人が、断酒会を1日でも早く知っていただきたい思いで書きました。次回からは体験談を月に1回は書きたいと思います。【つづく】

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