PJ: 和田 牧夫
「バカとはさみは使いよう」、「ツイッター」の効用
2010年07月18日 10:05 JST
【PJニュース 2010年7月18日】市民が物を言える時代に入ってきたために、為政者も市民の声に耳を傾けざるを得ない、市民目線で動かざるを得ない、そして間接的に市民が政治を動かせ得る時代に入ってきたといえると思います。そういう意味ではツイッターはIT進化が生んだ時代の寵児(ちょうじ)といえるのではないでしょうか。1日の大半の時間を「つぶやき」に消費してしまっているとしたらもったいないことですが、ツイッターには思わぬ効用もあるということを書いてみたいと思います。
私はツイッター分析のプロでも何でもないことはあらかじめおことわりしておきます。ツイッターの特徴は即効性とオープン性にあると思います。ツイッターの説明としてよく例示されるのが、大きな事件が起きてそこに居合わせた者がすぐにツイッターで情報を流したら、それがたちどころに世界中に行き渡ったという事例です。個人の情報発信手段として有力だということです。これには震災などの災害現場の情報を伝えるパブリックジャーナリズムの効用ともオーバーラップするものがあります。もちろん、ツイッターはジャーナリズムといえるようなものではありませんが。ここでツイッターが威力を発揮しているのは即効性、いやむしろ即時性(リアルタイム)といってもいいもの、これはいわゆる記事では実現不可能なことです。事故をこして救急車の中からツイッターしている書き込み(ツイート)を実際見たことがあります。
そして、2つ目の特徴はオープン性があるということ。基本的にはSNS(ネット上のコミュニティーサービス)のように登録制コミュニティーとは違って、広く門戸が開かれているために、世界規模でユーザーが拡大していることが挙げられます。また日本の2チャンネルとも違って、実名を名乗ることが多いことから、情報の信頼性が高まっているということが特筆すべきことです。誰かへの成りすましができないような認証システムも用意されています。
実はこれが一番重要かもしれないのですが、それが3つ目の効用。それは市民の情報発信手段になっているということ。これまでは市民が自分から社会に向かって情報発信する手段があまりなかったといえます。ブログがあるではないかと思われるでしょうが、一つのブログのアクセスカウントなどは知れたものです。ところがツイッターに書かれた情報(つぶやき)のなかで人々が注目すべき情報はたちどころに桁違いの多数の人に伝えられるのです。そして何が重要な情報かが市民によって選択・淘汰され、ときには指数関数的に拡大されていくということがポイントです。
個人情報に加えて、これまでは情報が閉ざされていた委員会や会議の内容がつぶさに報告されてくるという開示性もあります。それは国会議員による委員会から官公庁や諮問委員会の会議まで多岐にわたります。国会議員の書いたツイッターをフォロー(閲覧)する側のメリットはそういうところにあります。会議中にツイッターするなんてけしからんと考える向きもあるでしょうが、会議に参加している人がツイッターをみてまた新たな発言をすることもできる。これほどのリアルタイムの開示方法がほかにあるでしょうか。
ある専門家は次々とツイッターで情報発信をしてくれています。その分野のアップデートな知識を得ようと思ったらその専門家のツイッターをフォローすると非常に多くの情報が得られます。それは政治や経済、学問の専門家にとどまらず、趣味の達人という場合もあります。さらに専門家同志がツイッター上で互いに意見を交したり、情報交換をしているので、それらの情報は一個人の意見から複数専門家のコンセンサスへと熟成し、そのことがまた情報の信頼性を高めています。双方向性があるということによって監査の役割も果たしているわけです。2チャンネルのように誹謗・中傷が多くなるかと思いきや意外にも発展的なコミュニティーが形成されているケースが多いようです。それは実名を原則にしているためだと思われ、匿名のつぶやきはおそらく信頼性にかけるために淘汰されるのだと想像します。
以上のようにツイッターというのは使い方によってはかなり効用の大きいネット手段となっているのではないでしょうか。多くの個人的な、あるいは小さなコミュニティーでのつぶやきが日記やメール的なものになっていのも事実ですが、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)のつぶやきのなかで、インパクトのある情報が世界を駆け巡るのでしょう。ちなみに筆者の身の回りで聞く限りでは中高校生には意外とツイッターは人気がなく、むしろSNSのような閉鎖的なコミュニティーのなかで書き込んだりすることを好むようです。ゲームでも携帯でも一日中それに没頭してしまうのはもったいないことですが、ツイッター自体はあくまでツールなので「バカと挟みは使いよう」ということではないでしょうか。【了】
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